読者レポート:室生寺


 室生寺見仏記
 
 紅い仁王門をくぐり拝観料500円。自然石の階段をドッコラショ。
修復なった五重塔はお色直しで鮮やかなワイン色杉の木立の緑に映えてきれいだなーぁ。

 メーンの五智如来は本堂「如意輪観音」の右隣におわした。このご本像さまは日本三如意輪の一つ少々肉厚のふっくらした感じがやさしく、ほーっと疲れを忘れさせてくれる。事前の情報がなかったので五体のお姿を見た時は思わず「あら、かわいい!」と声が出た。約50センチくらいの小さな仏像だったから。

彫は浅く目は伏せたように細い。口許、頬の脹らみは微妙に違う。大日如来の冠がお内裏様のそれに似て愛らしい、けど左目の一部が剥落のため空洞になりかけていて痛々しい。金箔がの殆んど残っているようなので、お寺さんに「磨けば光って綺麗でしょうね」と聞いたら「このまま磨かない自然体が値打です」と言われ、下衆の考えだったと恥ずかしい。でも親切に発見時の説明などして下さって有難うございました。

 金剛界五智如来  (堂内に安置されていた位置)

 中央 大日如来。

 北 不空成就如来。

 南 宝生如来。

 東 阿しゅく如来。

 西 阿弥陀如来。

 無論撮影禁止。幸いに本堂の入り口の壁に五体の写真が(鮮明でないが)張っていたのでそれを撮ったのがせめて形あるお土産。
 金堂の諸仏。国宝の十一面観音、童子の面影、十二神将の所作が面白く人間味があり、とても好きだ。弥勒堂の「釈迦如来」はキリッとして清々しいお顔と衣文の線の流れは衣擦れが聞こえてきそうな美しさである。 至福の一日。あーぁこれだから見仏紀行はやめられない。 合掌。
                                    2000.7.8(土)晴れ

文/まきちゃんさん
室生寺の五智如来はテレビでみましたが。カワイイですよね小さくて。
五重塔もこんなに早く直るとはびっくりです。平安時代は板葺きの屋根だったのを、江戸時代の修復で桧皮葺に改造し、明治には屋根のソリを調整したそうです。
それぞれ、いかに美しく五重塔をみせるか、と苦心した証なんですかね〜。

 ちなみに五智如来については、「仏像相談室 (阿しゅく如来ってなに?)」をごらんください。

最高顧問


日仏会へお便り

9/OCT 2000

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