読者レポート:ていたんさんの「初一人見仏記」


 初一人見仏記
 

 お気に入りの仏像ってやっぱり京奈良が多いんです。ただ単に地方仏を勉強しきれていないということかもしれませんが。そして私、フリーターなんです。とっても貧乏なんです。なので、なかなか見仏旅行にも行けません。(埼玉在住なので交通費もばかになりません)見仏回数増えません。そしてそして私、仏友いません。何度か、母を無理やり引きずりこんで見仏旅行へ行きましたが、家の諸事情により(深刻な事情ではありませんが)母はあまり家を空けることができなくなり、貧乏ながらも今年の春、初の京奈良一人見仏旅行に出かけてきました。


 奈良は修学旅行シーズンまっただ中!この時期の奈良は初だったので、午後の東大寺に行ってびっくり!制服の嵐・嵐・嵐。南大門にたどり着く前にあきらめました。翌日の朝イチに予定変更。それがよかったんです。朝の三月堂貸切。いつまでいたっていたりないので次の拝観の人が来たら出ようと決心して、一時間以上経過。あんなに三月堂をゆっくり観たのは初めてだったのでホント感動でした。やっぱりここ最高!!

 この旅行で初めて訪れたお寺は大安寺・長岳寺・聖林寺・当麻寺・西大寺。

 大安寺ではお目当ての楊柳観音が不在だったのでちょっと残念だったけれど、四天王や不空羂索観音を観て、大安寺様といわれる諸像の魅力をなんとなく感じ取れた気がしました。

 長岳寺の阿弥陀三尊の阿弥陀如来坐像は想像していたよりずっと立派でした。光背は大きく広がり、それでも全体のバランスは全く崩れていないんです。玉眼最も初期の例と考えながら観ていると、やっぱりメジカラあるなぁって見えてくるんですよね。いい意味で期待を裏切ってくれた、素敵な像でした。

 聖林寺でも貸切でした。あの空間であの十一面観音と向き合っているとちょっとドキドキでした。
 聖林寺へ向かう前に寄った食堂。やっぱりここまで来て三輪そうめんを食べないわけにはいかないと、にゅうめんを注文しました。!!!!なに?このおいしさ!今まで食べていたのはなんだったんだ?とかなりなショックを受けた出来事でした。

 奈良市写真美術館では「もう一度見たい・・・」に投票してきました。やっぱり入江泰吉の写真はどれを観てもいいですね。私はそのなかでも特に、斑鳩の塔遠望がぐっときます。

 東寺では兜跋毘沙門天に会ってきました。大好きです。抜群のプロポーションですね。いくつかの摸像もあるようですけど、やっぱり東寺のにはかなわないでしょう。羅生門の楼上にあったなんて聞くと、ホントに惚れちゃいますね。

 初の一人旅、かなり楽しかったんです。お金があったら、引越しするまでいかなくても、京奈良に長期滞在したいです。現在、ドリームジャンボの抽選に賭けているところです。ふぅぅぅ・・・。ああ、京奈良行きたーい!!(こんなしめかたありでしょうか?)



文/ていたんさん


初の奈良への一人旅。集団で行くのもよいですが
一人で行くとまた違う趣のあるお寺や仏像を
発見することができるのではないでしょうか。
ていたんさんのレポートから、
私もはじめて一人で仏像を見に奈良まで行ったときのことを
思い出します。

最後の「引越しするまで行かなくても」以下の文章には
首都圏在住の人間として
ひどく共感してしまいました。

私もいずれは奈良に移住してしまうのでしょうか・・・(笑)


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9/JUN 2003

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