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質問

こんにちは!!
仏像が製作されるようになった起源について教えて下さい。
いつ、どのように伝わってきたのかなど押しえて下さい。お願いします。

Myori Tsukano
 

 

最高顧問の回答

 こんにちは。こういうテーマは、仏像をやる以上、避けて通れませんなあ〜。
これで、日仏会もそれなりの存在になってきたのかしらん。

仏像の誕生
仏像がインドで作られるようになったのは、紀元後1世紀のころで、その中心的な製作の場所は、ガンダーラ地方とマトゥラー地方です。
ようやく仏像の芽生えのようなものが現れるようになったのは、釈迦が入滅してからニ、三百年たってからのことです。

実のところ、どうして仏像がつくられたのかというのは、いろんな説があるけどはっきりとはわかっていないそうです。それを踏まえた上で以下を読んでください。

最初は、あまりにも釈迦が偉大であったため、像としてうつすのは神聖さにたいする冒涜だと考えられていました。また、釈迦さんはもうこの世にいなくて、仏教の教えそのもの(これを「法身(ほっしん)」といいます)をあがめる、という考え方が当時のトレンドでした。
そのため、釈迦の足跡(仏足石)とか、菩提樹や説法を示す法輪などで、間接的に表現していました。

ただ、そのころって、釈迦が入滅してから、既に三百年もたっているわけですから、釈迦の姿なんて誰もわかりませんよね。「これが釈迦だ!」と自信をもって言えるだけのものがなかったのかもしれません。

いつ頃から仏像として形を成したのかははっきりとしていませんが、理由の一つとしては、この頃、勢力を伸ばして いた大乗仏教と深く関係があるようです。
当時の仏教ではすでに「供養」の習慣があって、花と香とかをお供えするのが普通でした。そこで「どうせお供えするんだったら、供えがいのあるほうがいい」ということで、具体的な像がつくられたのではないかという説があります。

やはり、輪っかとかにお供えするよりも、具体的な人の形をした像のほうが、お供えがいがあるんでしょうね。

様々な仏像が作られるようになった訳…
釈迦が入滅してからかなりたってからの仏像製作だったので、モデルもあまりなく、かといって、あまりにも凡人と同じでは徳がない、ということで、いかに人間を超越しているかに重点が置かれました。身体は金色に輝いているとか、白豪があったなどなど。
そのほかに、釈迦以前に仏になった人がいるはずだ!と考え、過去仏や現在、未来にまで仏像を登場させます。阿弥陀さんや薬師さんは、菩薩時代に「誓願」を実現したおかげで仏になった、いわゆる「報身(ほうじん)」の仏です。小泉首相も誓約を果たせば仏になれるのでしょうか(笑)?
ま、冗談はおいといて (^_^;)、ぞくぞくと大乗仏教の経典には様々な仏像が登場するようになったのです。

仏教の伝播…
大乗仏教と小乗仏教の伝播のしかたは多少異なりますが、全体的にインドのブッダガヤーを中心に紀元前3世紀からインド南方とインド北西地方にひろがりました。その後、シルクロードを経て、中国から日本へのルートが4世紀から6世紀頃。また、インド南方から、タイ、カンボシアからインドネシアへ伝わったのが、13〜14世紀頃であるといわれています。ま、このへんは歴史の本でも見てみてくださいね。

 


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26 MAY 2001

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