一般の方からのリサーチ依頼


質問

はじめまして!
HPを拝見させて頂いたMaiといいます(^^)

早速なのですが、私の疑問に答えて頂けたら嬉しいです!
『どうして、大仏の髪型ではパンチ・パーマみたいのが多いのでしょうか?
また、どうしてパンチ・パーマなのでしょうか?』
何かおもしろい仮説などあったら、是非教えて下さい。
お返事お待ちしています<(_ _)>


始めまして。雪と申します。まだまだ何も知らないんですが、仏像を愛する若者 のひとりです。
私は、奈良、東大寺の毘盧舎那仏のらほつの数が気になるのです。計算して作ら ないとあんなにきれいに並びませんよね。お願いします。

 

最高顧問の回答

おもしろい仮説」といわれると、なにか期待されてるようで、いや〜困りますなあ(笑)。

 お釈迦さんは、家を出てから修行の毎日。肉体的にもかなりきびしい修行をしたそうじゃないですか。
煩悩からの解放。その他もろもろ、考えに考えて、「あ〜〜もうっ!」と頭を掻きむしる毎日。

ところで、Mai さんは「汚ギャル(おぎゃる)」ってご存知ですか?
渋谷に「コギャル」が消えて、その進化型のひとつとして観測されています。
地べたに平気ですわるのはもう当たり前。「友達と遊ぶ時間がへる」と風呂にもはいらず、下着も換えず。なかには1カ月も風呂なしの生活をするそうです。

釈迦の修行は6年間だったそうで、その間風呂にもはいらなかったと思われます。暑いインドですから頭はかなりオイリー。そんでもって「あ〜〜もうっ!」と頭を掻きむしる毎日。
これでもうパンチパーマの理由がわかりましたね。

渋谷近辺に棲息する「汚ギャル」。じつは彼女らも修行中の身なのかもしれません。
ってことで、いかがでしょう?

ちなみに、『仏像早分かり小百科』(春秋社)を読むと、釈迦の出家の物語が関係してそうだということがわかります。以下、抜粋します。

 「釈尊が29歳で出家するとき、当時の一般の出家者のやりかたにしたがって、ボロをまとい、髪を下ろしました。
 釈尊は髪を、指の関節二つ分を残して切ったのですが、残った髪はすべて右まわりにグルンとまいて頭にへばりつき、しかも、生涯それ以上伸びることがなく、したがって切る必要がなかったといいます。
 釈迦如来など、仏の頭髪はイボイボになっています。こうした髪のことを螺髪(らほつ)といいますが、これは、いまのべた伝説がもとになっているのです。

 ついでに、「大仏は」とおっしゃいますが、大仏はたんに「おおきな仏像」という意味です。ですからたとえ小さな仏像でもパンチパーマになってます。仏像のなかでも如来(にょらい)なんかがとくにそう。奈良や鎌倉の大仏も如来の一種です。

さて、二つ目の質問ですが、雪さんゴメンナサイ。
これ、去年もらった質問なんだよね(^_^;)。ずいぶん遅くなっちゃって...。
これについては、ゆつき晃司クンのご協力でわかりました!

一つの大きさは高さ36センチ、直径18センチ。ちょうど人間の頭1つ分ぐらいの サイズだそうです。螺髪の総数は966個、銅6.3トンを使用したとのことです。 後から頭に取り付けるようにしていたので完成した螺髪をひとつひとつはめ込んで いったのでしょう。

さらに、時代が下るほど、螺髪の数が少なく一つ一つのイボイボが大きくなっているようです。
たとえば東寺金堂の薬師如来さんなんか、かなり大粒の螺髪をつけてます。

 


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20 NOV 2001

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