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質問

「水掻きを持つ仏像」というものがあるのでしょうか。
「水掻きを持つ盧舎那仏」という文章を見かけたものですから気になっています。

杉山みゆき
 

最高顧問の回答


盧舎那仏というのは如来(阿弥陀とか、薬師とか)の一種です。
如来とは、すでに悟りを開いた釈迦の姿をあらわしているので、すでに人間を超越した存在なのです。ですから、普通の人間と違うという特徴をもっていなくてはなりません。
それが如来の「三十二相」というものです。


※  ここで、三十二相についてまとめてありますので、参照なさってください。

おっしゃっている「水かき」はそのうちの「手足指縵網相」(しゅそくし まんもうそう)といい、仏の手から衆生を残らずすくい取ることができるように、という意味合いがあるようです。
普通の手でただすくうのではなく、少しでも表面積の広い方が多くの衆生を救えますもんね。

「水かきを持つ盧舎那仏」ということでしたが、本来、如来は必ず水かきを持っていなくてはならないものでして、大なり小なり如来は指と指の間に水かきのような縵網相を備えています(省略されているものもちょくちょく見かけますが・・・)。
もし、仏像を見に行くことがあれば、ちょっと注意して見てみてはいかがでしょうか。いろいろな仏様にそれぞれ特徴ある縵網相が見られます。


私が今まで見た中では奈良薬師寺講堂の薬師如来(弥勒仏と尊称が変わるらしいですね)の縵網相が強烈でした。3月に落慶するようですので、ぜひ見に行ってみてください(^.^)

 


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7 MAR 2003

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