書名 古寺めぐりの仏教常識
著者 佐伯快勝
出版社 朱鷺書房
出版年 1985年9月
ISBN 978-4‐88602-076-3
定価 1000円
サイズ B6
読みやすさ ★★★★☆ 4
(薄くて読みやすい本です)
専門性 ★★★☆☆ 3
(基本的、重要なことだらけ)
写真多用 ☆☆☆☆☆ 0
(挿絵だけです)
お手ごろ感 ★★★★☆ 4
(持ち運びにも便利)
目から鱗度 ★★★★☆ 4
(なるほどなぁ、という感じ)
最高顧問の書評
  最高顧問の12冊、トリを飾るのは浄瑠璃寺住職、佐伯快勝師の「古寺めぐりの仏教常識」です。「レポート部門」の「見仏お土産紀行」にもちらっと登場しましたが、浄瑠璃寺訪問時にチラ見して、即買いした代物です。

  本書は、「お寺とは何か」から始まり、伽藍の配置、仏像の種類、見方は勿論、古寺めぐりの心得まで、現役の住職が一般の人向けに、非常に平易に、わかりやすく説明しています。
  また、個人的には最終章に載っていた南都各寺の住職の座談会、これも興味深かったです。今のお寺と拝観者の問題点がそれぞれの目線で語られており、自省の意味も込めてじっくり読んでしまいました。

  「古寺巡礼というのは日常の世俗的な生活から一時的にせよ離脱して、精神的なものを求める仮の出世間をすることに最大の意義があるのだと思います(中略)お寺に着いたら、できるだけひとりになって、心静かに仏様と対面してください」という一文は、現在の寺院探訪をする身にとって、無視しえぬ一節です。

  本書が書かれたのは1985年。今から実に25年も前ですが、まったく内容が褪せてないどころか、ニーズは当時よりも確実に高まってきていると思います。今年は阿修羅展の影響などもあり、仏像に対して世間の注目が集まってきています。それに伴い、各地にある仏像たちも徐々に脚光を浴びてきて、今までそういったものに興味のなかった方々がお寺を訪れる、そういった機会が増えてきているはずです。

  お寺の住職という、いわゆる「本職」がお寺巡りに必要な基礎知識を著しているこの本は、そういう人たちに、まさにうってつけ。この本に書いてある内容を知識として知っていれば、同行の人から一歩も二歩も抜きん出た存在になれるはず(笑
  自分もお寺巡りを始めて10年以上たちましたが、本書を読んでいて、意外と知らないことばかりだったと、改めて気づかされること多数でした。
   
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27/DEC 2009

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