今回はちょっと毛色を変えて、本、というか図録の紹介。
今まで無数の仏像系の展覧会を見てきましたが、その中でも最高峰に位置すると思われるのが、この「東大寺のすべて」展。「ULTIMATE
TODAIJI」なるミドルネームも素敵。
今を去ること7年前、平成14年4月〜7月に奈良国立博物館のみで行われました。
当時最高顧問は就職活動中。今に勝るとも劣らぬ就職氷河期で、この時期、まだ就職先が決まっておりませんでした。「就活終わったら見に行こう」と思っていたら、会期の方が先に終わってしまいそうになってきたので、6月下旬に慌てて奈良に向かいました。夜行バスで日帰り往復する超強行軍でした。
その時の戦利品がこの図録です。 A4サイズもさることながら、30mmに迫る、その分厚さ。 重厚というより、こうなるともう武器です(笑)
さて、その中身ですが、東大寺の歴史、東大寺の所蔵する美術品の概説、そして、このたびの出展品の数々の写真と詳細な説明に、図録として以前に、読み物としても非常におもしろい一冊。もちろん、あまたの図録と同様に、誌上で展覧会の余韻にふけることもできます。大きさゆえ、置き場所に難儀するという問題が付きまといますが...
それにしても、「東大寺のすべて」と銘打つだけあって、仏像だけとってみても、法華堂から日光月光、戒壇堂から四天王、俊乗堂から重源像、開山堂の良弁像、八幡堂の僧形八幡神像など、動かせる国宝はあらかた持ってきた感のある、凄まじいまでのラインナップでした。もうこの水準の展覧会はそうそうないんでしょうなぁ・・・
そういえば、間もなくファイナルを迎える東博の阿修羅展ですが、来年の今頃は、「東大寺展」になるとのもっぱらの噂。さてさて、どんなのがやってくるのか、久々にこの図録を開いてみることにしますか・・・。
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