レポート:見仏おみやげ紀行 |
奈良に行ってきました。 必然的にレポート書こうと思ったわけですが、毎度おなじみただの見仏レポートではイマイチ面白くない。そこで、今回は見仏地での「おみやげ」をサブテーマにして進めてみようかと思います。 お寺のおみやげはお守りだけに非ず!ということで、お付き合いいただければ幸いです。 (ロケ地:京都・奈良 2006年3月) |
|||||
奈良見仏紀行初日。 あいかわらず「ながら」で関西入りしてしまうと眠いもので、そこに必然的に「強行軍」という要素が加わるものだから、眠さに拍車がかかる。 今回はいろいろあって名古屋⇒奈良⇒大阪⇒京都⇒奈良というルートでの奈良入りである。 初日午後、すでに京都までの行程をこなし、一路、JRにて奈良を目指していた。 冒頭述べたように、眠い。そしてさらに追い討ちをかけるように効いていたのが
である。 「大和路どうでしょう」のフィナーレを飾った京都伊勢丹「茶寮 都路里」に、初日、いきなりの突撃をかけてしまったのである。しかも「昼食代わり」に。 前夜、ムーンライトながらに乗車する前、しこたま酒を飲み、この日の朝は二日酔いでろくに食べ物を口にせず、昼食代わりにパフェ。これ以上ないくらい胃に悪い。 御供の者は初都路里に興奮していちばんでっかいサイズのパフェ頼んで、おまけに最後は飲み干すと言う荒業を披露して、そして後悔しまくりの様子。 そんな状況で、奈良を目指していた最高顧問とそのお供の2名。 (注:最高顧問および日仏会では何かと罰ゲーム的な扱いを受けている都路里のパフェですが、本当はすごくおいしいんです。東京では汐留にて味わえますよぉ) で、平等院である。 ここに来るのは学生のとき以来、多分6年ぶりくらいになろうか。 そのときは寺域、堂宇ともに修復工事中で、とても浄土の雰囲気など味わえなかった寺、として記憶していた。 しかしこのたび、修復が完了したと言うことで、ようやく足を向ける気になったのである。とりあえず鳳凰堂へ。 久々に訪れた平等院の阿弥陀仏。大きく印象が変わっていた。 まず、天蓋、台座、光背は堂外で修理中とのことで、御本尊は代わりの台座の上に、なんとなく「ぽつん」と言う感じで坐しておられた。周囲を荘厳していた雲中供養菩薩も26体が堂外の宝物館・鳳翔館で公開中とのことで、数は半減している。 そして何より驚いたのがそのお顔。 今まで写真で慣れ親しんできた、あの「黒々した痣のような金箔の剥落」がすべて修復され、顔については創建当初に近づけたような雰囲気がでていた。確かにきれいではあるが、慣れないせいか「つるん」とか「ぺろん」とか、そういう言葉で表現されるような感じで。こう言っちゃ何だが、法界寺や法金剛院の丈六阿弥陀仏にイメージがダブる。系譜が逆なのはわかってるんだけど(笑) とにかく、最終的な判断は天蓋やら台座やら、付属品がすべて揃ってからもう1度拝観して、それから決めようと思う。 続いて、最近オープンしたての平等院宝物館「鳳翔館」へ。 一寺の宝物館としては稀に見る規模で、所蔵品の豪華さから言っても法隆寺宝物館、興福寺国宝館に次ぐ位の規模ではなかろうか。 国内三大梵鐘(あとの二つは奈良東大寺、近江園城寺)のひとつである国宝梵鐘や、鳳凰堂の屋根の上の銅造鳳凰。なかでも先の鳳凰堂から出張しておられる雲中供養菩薩の大群には圧倒された。一部屋すべてが雲中供養菩薩で埋め尽くされ、かの有名な「北25号」に至っては、まさしく目前で拝観できる。今後恒常的にここの安置されるのか、あるいは鳳凰堂の修復が終了したときに戻されるのかについては不明ではあるが、これは一見の価値がある。 おすすめ。 この鳳翔館の出口付近にミュージアムショップというか、平等院の総合おみやげ店がある。今回のおみやげ見仏紀行、先発となったここでの買い物は以下の通り。 ■ 雲中供養菩薩トランプ(\900) 今回の、この見仏おみやげ紀行を書こうという気にさせた最大の理由がこれ。 雲中供養菩薩全52体を1体ずつ、トランプの絵柄にしてしまうという、あまりにジャストフィット、あまりに衝撃的な適合に、呆気にとられたというしかない。 ということは、ジョーカーは本堂のあの方か、というメールをいただいたのだが、さにあらず。 ジョーカーは国宝鳳凰像。 「平等院のおみやげ」として、これ以上のものはないだろう。 ■ 平等院 香シリーズ「夢」(\700) 香の老舗として有名な京都・松栄堂とのコラボ企画。 白檀からシトラス、フローラル系まで全5種の香を、平安貴族の生活に見立てて封入。 バリエーションと、たいへん気品ある香りは非常に自分の好みに合っているものの、数の少なさはいかんとも。 焚き続けた結果、もうなくなってしまった・・・^_^; というわけで、拝観1つ目にして2つもお土産を購入してしまうことになった。 国宝を束になって見せ付けた挙句、盛り上がってきたところで最後にこんな品揃えのおみやげ店とは。 なかなか商売うまいぞ、平等院。 これからどれだけ散財することやら。 ⇒次の日へ進む |
|||||
文/最高顧問 |
26/MAR 2006