日仏会認定 「おおいた仏めぐりガイド」 by 最高顧問&投稿者の皆々様



永興寺(日田)
〜天領に残る慶派佛〜

所在 大分県日田市城町
アクセス JR久大本線日田駅よりタクシー10分。
あるいは駅より北へ徒歩30分。
レンタサイクルも有り。
仏像 ・ 木像四天王立像(国重文)
・ 木像十一面観音立像(国重文)
・ 木像毘沙門天立像(国重文)
・ 木像毘沙門天立像(国重文)
・ 木像兜跋毘沙門天立像(国重文)


長和3年(1019)、日田の領主大蔵永弘が建立したと伝えられる。
現地では「えいこうじ」というより山号である「慈眼山」の方が通りがよい。

諸仏は平安末〜鎌倉末にかけて造立されたもので、これらが丘の上の収蔵庫に一同に安置されている。
ユーモラスな動きを見せる四天王、恵心僧都作と伝わり、流麗な姿を見せる十一面観音、いかめしい兜跋毘沙門天。田舎の(失礼!)寺にしては非常にバリエーションに富んだラインナップであり、これだけでこれらの仏像を作らせた人物の勢力の強大さがわかろうというものだ。

この中で特筆すべきは四天王立像で、これは興福寺北円堂四天王(旧大安寺の仏像で、運慶一門が作った弥勒の周囲に配されている)の忠実な模刻像であり、鎌倉期の古典復興の機運の中で、慶派の康俊、康成らによって造立された。以前奈良国立博物館で行われた「運慶とその一門」展にも出陳されたそうだ。

なお、拝観には事前連絡が必要。
ちょっと仏像をかじったことのある人にはぜひとも1度行ってもらいたい、穴場的なスポットである。



<拝観した人の感想から>
  • 拝観中はお寺の方が解説してくれる。地方のお寺にありがちな「解説だけしかできません」というようなタイプではなく、非常に仏像にもお詳しい方で、こちらの質問にもわかりやすく、丁寧に答えていただいた。・・・最高顧問さん
  • 収蔵庫には重要文化財がぎっしりです。四天王は興福寺の仏師の手によるものだということですが、そんな説明を聞かなくても、見れば、北円堂の四天王と瓜二つ、否、瓜四つ。かつてこれらの像をマイ仏像にしていた実力者のプライドが感じられます。拝観については、収蔵庫のある丘の下のお宅(お名前は忘れました)に
    事前連絡する必要があります。あと、絵葉書はないので、看板の写真を写しておくとよいでしょう。・・・円町住人さん


あなたの感想はここから投稿!

おおいた仏TOPへ


日仏会へお便り

13/SEP 2003

日仏会トップページへ

inserted by FC2 system