長和3年(1019)、日田の領主大蔵永弘が建立したと伝えられる。
現地では「えいこうじ」というより山号である「慈眼山」の方が通りがよい。
諸仏は平安末〜鎌倉末にかけて造立されたもので、これらが丘の上の収蔵庫に一同に安置されている。
ユーモラスな動きを見せる四天王、恵心僧都作と伝わり、流麗な姿を見せる十一面観音、いかめしい兜跋毘沙門天。田舎の(失礼!)寺にしては非常にバリエーションに富んだラインナップであり、これだけでこれらの仏像を作らせた人物の勢力の強大さがわかろうというものだ。
この中で特筆すべきは四天王立像で、これは興福寺北円堂四天王(旧大安寺の仏像で、運慶一門が作った弥勒の周囲に配されている)の忠実な模刻像であり、鎌倉期の古典復興の機運の中で、慶派の康俊、康成らによって造立された。以前奈良国立博物館で行われた「運慶とその一門」展にも出陳されたそうだ。
なお、拝観には事前連絡が必要。
ちょっと仏像をかじったことのある人にはぜひとも1度行ってもらいたい、穴場的なスポットである。
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