日仏会認定 「おおいた仏めぐりガイド」 by 最高顧問&投稿者の皆々様



冨貴寺大堂
〜定朝様&阿弥陀堂建築 九州代表〜




新緑の冨貴寺大堂


所在 大分県豊後高田市大字蕗
アクセス JR日豊線宇佐駅からバス。
JR日豊線宇佐駅から車で30分、P若干有り。
仏像 ・ 木像阿弥陀如来坐像(国重文)


冨貴寺といえば、国宝冨貴寺大堂であろう。阿弥陀堂建築の代表例として、国風文化の地方波及の典型例として、高校の歴史の教科書には必ずといって良いほど登場する。

そして、阿弥陀堂建築の中には阿弥陀如来、ということで、伏目丸顔、三角形の体躯、阿弥陀定印を結ぶなど定朝様のお手本のような阿弥陀如来坐像が一体、堂内に端座している。像高約85センチの榧材寄木造。大堂の造立年次とほぼ同じくして作られたと思われ、平安末期の作。
国宝大堂は西日本唯一の阿弥陀堂建築であり、九州最古の木造建築でもある。整然と並んだ瓦が美しかった。
堂内に微かに残る阿弥陀浄土の壁画も必見。

この「定朝様の阿弥陀仏&阿弥陀堂」という組み合わせは浄土思想と相まって、藤原時代に盛んに作られた。その中でもこの冨貴寺は九州の代表選手といえるだろう。(この他、信州代表の別所中禅寺、奥州代表は平泉中尊寺、そして京都代表の宇治平等院、日野法界寺、大原三千院などがある)

本堂や堂内の仏像ばかりで見落としがちだが、石造美術も随所に残されており、この地方でよく見られる国東塔はじめ、板碑や石仏が境内には散在している。本堂だけを慌しく見るのではなくて、それほど広くはない境内の雰囲気をゆっくり味わいたい寺である。

なお、大堂は堂内の壁画保存のため、風雪等の荒天時には公開を中止することもあるそうなので、予めご承知おかれたい。


<拝観した人の感想から>
  • 仏像も良かったけど、それ以上に大堂の持つ静かな雰囲気に気圧されるような感じがしました。自分が行ったときは新緑の季節だったけど、秋の冨貴寺も素敵そうだと思います。・・・最高顧問さん
  • 富貴寺の、本堂と阿弥陀如来の組み合わせがとても好きです。
    普通の如来は面白みが無いのっぺり顔であまり好きじゃないけれど、富貴寺の如来はふくよかで柔和なバランスの取れたお顔。
    本堂は今でこそ国宝となっていますが、一時は損傷が激しかったらしく、近所の子供の遊び場となりコマの跡まで残っているらしい。ただ、内部壁面、柱などに3,000以上の仏様が描かれているのが圧巻。
    すでに色褪せてはっきりしないが、無数の仏様に囲まれながら、薄暗く、余り広くない堂内で阿弥陀如来と向き合うと、その空間に溶け込みそう。
    本堂正面からの写真が有名ですが、本堂裏の階段から見下ろす図もなかなかです。
    余談ですが、大分県立歴史博物館に往年の本堂内部を再現した実物大展示物がありますが、そのあまりに煌びやかな極彩色と現物のギャップが激しく、今の姿が良いのか、本来の姿が良いのか、複雑な心境になってしまいます。
    以上、仏像初心者からのお奨めです。・・・けるしさん
  • 九州最古で国宝の大堂を持つ富貴寺はあまりにも有名でしょうが、ここはやはり大分の中では一度は行きたいところでしょう。大堂来迎壁の阿弥陀浄土図も一見の価値が大有りでしょう!
    定朝式のどっしりとした阿弥陀如来は、地方ということも関係しているのか、素朴で「おふくろさん」のようです。光背が二重であるのもちょっと珍しい感じです。私も一度しか行ったことありませんが、また是非に訪れたいです。・・・八重桜さん



あなたの感想はここから投稿!

おおいた仏TOPへ


日仏会へお便り

13/SEP 2003

日仏会トップページへ

inserted by FC2 system