日仏会研究論文「慶派」のおはなし
 ●「慶派専門」客員講師、初の論文!●

執筆:日仏会慶派担当客員講師

「慶派」ってなに?

「慶派」とは、平安時代の名作 平等院鳳凰堂の阿弥陀如来座像の作者定朝(じょうちょう)の遠い子孫(弟子を含む)康慶(こうけい)から 康慶の長男である運慶、弟子の快慶など名前に「慶」の付く仏師の系列のことをいい、他に「院派」、「円派」などの系列があります。特に運 慶と快慶は有名!

「慶派」の仏像の特徴は?

それまでの平安期の仏像の穏やかさや気品を残した上でさらに力強さが加わり、そばに近づいただけで睨まれているようなリアルな玉眼(頭部の内側からガラス、水晶などを嵌め込んだもの)、ぷりぷりした張りのある太い腕、流れるような衣紋など写実性に富んでいます。

最高顧問 注:
慶派が流行した平安後期から鎌倉時代は武士の時代。それまでの貴族的な、平和にみちたスタイルから、武士が好みそうな力強い作品へと、様式が変化していったそうです。まさに時代のニーズにあった顧客満足度の向上をめざす一派、それが慶派なんですね。

有名な「慶派」の仏像と、それが見られる寺はどこ?

金剛力士像 運慶、快慶 他 東大寺南大門
弥勒菩薩座像 運慶 興福寺北円堂
無著世親立像 運慶 興福寺北円堂
大日如来座像 運慶 円成寺
八大童子立像 運慶 高野山金剛峰寺
阿弥陀三尊立像 快慶 浄土寺
僧形八幡神座像 快慶 東大寺八幡堂
阿弥陀如来立像 快慶 東大寺俊乗堂
その他多数あり。

最高顧問 注:
六波羅密寺には、運慶さん本人の像があります。なかなかいいオヤジ顔してます。
個人的には、運慶の長男 湛慶の作品、三十三間堂の千手観音座像なんか好きだなあ。

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10 SEP 1999

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