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質問

東大寺の大仏の座高について

座高の高さが16メートルだと聞いたのですが、なぜその16メートルになったのですか

 

最高顧問の回答

 奈良の大仏は、やっぱり基本ですよね。あんな昔にあんな大きなのを造ったとは。
「大仏」というのは「大きな仏像」という意味で、東大寺の大仏は毘盧舎那(ビルシャナ)如来という名前のほとけさまです。詳しくは仏像相談「唐招提寺の仏について」をご覧下さいね。

さてさて、高さですけどこれが調べてみたらなんと深いこと! まず初めに、仏像のスタンダードな大きさを知りましょう!

  • 仏像の大きさは「丈六」が理想!
    立ったときの高さが1丈6尺の高さになる仏像。1尺は 30cm、1丈は3mなので、あわせておよそ4.8mほどになる計算です。
    で、座っている仏像をつくろうとすると、だいたいその半分くらいの高さになるようにつくるのが通例となっています。

    では、なぜ「丈六」が理想なのか? この理由は、次回更新の仏像相談室で解き明かされます!

さて、奈良の大仏。当相談室「大日如来はなぜ派手なの?」でもお話したように、ビルシャナ如来さんは、ホトケ界の頂点に立つグレートな存在なのです。このグレートさをいかに表現するか? 当時の大仏制作班は考えました。
 通常の如来サイズ(丈六)の、10倍にしよう!
ビルシャナ如来について説いている「華厳経」の教えによると、10は無限を表す数字なんだそうです。つまり、無限の大きさを表したかったのですね。

こうして、身長16丈と決まりました。これは 48mになります。それを座像にした場合、現在の 16mとは計算があわないような気がしますが、そこはホラ、こういう世の中ですから、いろいろ事情があるんでしょう。あまり細かいとこ追求しちゃいけません(笑)。今までに何度か火災で溶けちゃってるし、大仏さんとしてもいろいろご苦労があったわけです。

まとめると、「いちおう丈六仏の10倍なんだけど、いろいろあって、今は5丈6尺でやってます」という感じでしょうか。下の図によると、東大寺の大仏は、ガンダムより大きく、ウルトラマンより小さいということになりますね。(笑)


 


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20 NOV 2001

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