この10月に発売されたばかりの仏像本を2か月連続で紹介。横浜の八重洲ブックセンターでは、先月紹介した名誉顧問の「東京仏像さんぽ」の隣に置いてあって異彩を放っていたのがこの本でした。
この本を読んでいて、「仏像のイラストを見て楽しむ」という珍しい、というより、たぶん初めての経験をしました。今までは、解説の中でちょっとイラストを用いて持物の説明、というレベルではあったものの、この本は、イラストをメインに持ってきました。写真は見事なまでに一切ありません。
2DCGのイラストレーターを中心に総勢19名(巻末で確認)の競作ともいうべき仏像が全61体。それぞれに現代的な表現をしているので、統一的な絵柄ではありませんが、見ていて楽しいです。仏像って、やっぱりこうしてみると異形の造形が多いんだなぁ、と改めて再認識しました。特に明王系。個人的には緊那羅がお気に入りです。
ただ、絵柄があまりに個性的すぎて、各像ごとについている説明文をつい読み飛ばしてしまう、 という弊害(?)も生まれてしまっています。
それにしても、監修の「現代仏像研究委員会」って何でしょう。「日夜仏像について研究を行う人々によって構成されている委員会」とありますが・・・なんだかすごくアヤシイです(笑
実物(実ブツ?)系仏像ファンの方には少々抵抗があるかもしれませんが、仏像とか仏教というものはその時代時代の最先端の文化や流行を取り入れて発展してきました。そう考えると、こういう現代的なイラストで表現するのも、この「仏像ブーム」の中にあって、決して悪くないのではと思いました。もっとも、今の時代を反映というなら、仏像が近い将来「萌え系擬人化」「2次元美少女キャラ化」する危険性もあったりするわけですが・・・w
|