書名 東京仏像さんぽ
著者 宮澤 やすみ
出版社 明治書院
出版年 2009年10月
ISBN 978-4‐625-68430-2
定価 1200円
サイズ B6
読みやすさ ★★★★☆ 4
(さらっと読める感じ)
専門性 ★☆☆☆☆ 1
(そういうコンセプトではないです)
写真多用 ★★★☆☆ 3
(一部、やすみさん自分で撮影)
お手ごろ感 ★★★★☆ 4
(薄いので、ガイドブックとしても)
お薦め度 ★★★★★ 5
(どうぞ手に取ってください)
最高顧問の書評
  今月は名誉顧問の著作が2冊発売されるというので、予定を変更して、宣伝も兼ねてご紹介。10月20日に発売されたばかりの「東京仏像さんぽ」です。

  東京23区を9つのエリアに分け、「仏像」と「散歩」をテーマに名誉顧問セレクトによるお寺をそれぞれ3〜4か所選んで紹介しています。仏像の紹介本というより、仏像のいるお寺の空間、雰囲気を楽しむための本、という方がより適当かもしれません。「肩の力を抜いてお寺に行ってみよう」という点で、過去作「お寺にいこう」に通じるものを感じました。

  京都・奈良にごろごろいるようなビッグネームこそいないものの、だからこそあまり知られていない東京の仏像。いたるところで「こんなところにこんな仏像が!」という驚きに満ちています。
  個人的には護国寺の仏像群に興味津々。これは近いうちにぜひ見に行ってみなくては、と思いました。

  そして、本書140〜141P「仏像はみんなの財産」という内容は、仏像鑑賞をしたことがある人にはぜひとも読んでもらいたい個所です。自分も同じ思いですし、つい忘れがちになってしまう、大事な部分です。

  これから仏像巡りを始めてみよう、という人には、良く言えばレベルの高い、悪く言えばマニアック(笑)な像が続くので、紹介されている仏像だけ見ると初心者向け、という感じではないかもしれません。一通り奈良京都の有名どころを見て、一息ついた時に近場に目を向けてみよう(注:最高顧問横浜在住)、そんなときに読んで欲しい本のように思われました。もっとも、地元仏と有名仏、どっちを先に持ってくるかは好みが分かれるところだとは思いますが。

  本書は東京だけに絞って紹介していますが、「仏像は奈良・京都だけではない。東京都心ですらこんなにいるんだから、あなたの身の回りにもきっと素晴らしい仏像がいて、出会いを待っている」という名誉顧問のメッセージが込められているように思いました。
   
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28/OCT 2009

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